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最終章 先駆者の道②

2月3日その日は肌寒く雨がすぐにでも雪に変わりそうな冷たい日だった・・・。

筑豊大学病院にて医師国家試験・・・。あゆみにとっては緊張より資格を取った後のことをどうするか?

その事が気になっていた。父浩吉が建立している医療リゾートホテル・・・莫大なお金・・・その中であゆみは

何をしてどう貢献出来るかを考えていた。

試験会場にはあの時みたいにアノヨンの力は無かった、それでもあゆみはスラスラと試験問題を解いていった。

2日目は雪になっていた。そんな中あゆみはママチャリで試験会場に・・・そしてまたスラスラと試験問題を

解いていく。今のあゆみにとってもはや医者になって当然、むしろその先を見据えていた。

もうすでに医者としてどうあるべきか!今後の医療をどうすべきか?すでに山仲教授やドクターPOSTの面々と

話し合いが出来るまでに成長していた。

そして合格発表の日。3月15日は快晴だった。季節はまさに春だった。

あゆみはパソコンにて厚生労働省のホームページにて合格を確認!医学部合格の時とは違って喜びより

何か責任の重さを感じていた。

「パパ!医者に成れたよ!」と少し静かに浩吉に伝えると「あゆちゃん!よく頑張ったね」とシクシクとすすり

泣いている。「パパ!喜んでいる暇はないのよ!まだまだこれから!やることがたくさんあるのよ!」とあゆみ。

「そうかそうだね・・・あゆちゃんが医者か・・・こんなあばずれな親なのに・・・本当にパパは信じられない

ありがとう!あゆちゃん!」と浩吉。宝神殿はすでに外観は出来上がり後は中の宝飾品の設営だけと成っていた。

賽銭箱と鳥居は屋久杉使用の特注品。入り口の鳳凰と龍の彫り物も完璧に仕上がっていた。

宝飾品はカバン屋(宝石商)20名と蜂須賀姉妹で行う。できあがる前からマスコミの取材の

申し込みが殺到。それと同時に医療リゾートホテルも形になってきていた。

すでに花の井ホテルや森のリゾートを上回る設備。ありとあらゆる贅を尽くした病院とあって

マスコミも黙っていなかった。しかし、大分の名士“大友宗子”と“メーテル女史”が関わった

医療リゾートホテルの情報以外はその全貌のほとんどが厚いベールに包まれていた。

しかしながらすでに建設費以外にも人材確保ヘッドハンティングや高額な医療機器など莫大なお金が動いていた・・・。

そして、“宝神殿”がパワースポットとしてマスコミにて紹介されると先に用意された

5,000台収容できる駐車場が満車状態に・・・。更にはオープン記念にて

 パワーストーンがもれなく配布されるとあって1万人を優に超える人で

にぎわっていた。皆それぞれに見たこともないようの宝石に驚嘆する人ばかりでまるで

大阪万博の月の石の拝観状態・・・立ち止まらないように促すも次々と人の波はおさまらず

当初の予定閉館時間を3時間延長夜8時まで開館。「お疲れ様でした~。」とデザイナー美咲。

「こんなに集まるとは・・・正直驚いています!」とデザイナー美樹。警備にあたった”KUNOICHI”の巫女の面々も

普段から鍛えているとは言えさすがに疲れた様子。

「それでは、皆さんお疲れ様でした!と言いたいところですがもうひと頑張り!宝飾品の検品と金庫への移動。

後もう一つ賽銭箱の賽銭の金額確認と配布したパワーストーンの数のチェック・・・。手分けしてやるわよ!」と美咲。

そして、夜中の12時過ぎ全て完了!拝観料がない分見込んだ賽銭はなんと3,000万円を大きく超えていた・・・

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