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第六章 ​夢の架け橋 ⑤

「みんな!我々は長い間、宝石業界の地下組織として華々しい宝石の舞台のいわば黒子として走り回ってきました。

でもこのプロジェクトに参加すれば日の目を見なかった宝石のコレクションが堂々と展示し我々もある意味華々しい宝石

の表舞台に立てるいや間違いなく立てる!たぶん皆さんは私と同じように宝石のコレクションを色んな方法で隠し持って

いるはず・・・その宝石を今計画している“宝神殿”という宝石展示館に預けて頂きたい!」

一瞬会場はざわめいたが蜂須賀美咲が「今回の件は皆さんにとっても悪い話では無いんです!隠しておかなくては

いけない事情の埋もれた皆さんのコレクションが堂々と展示室に飾られきっと多くの人達に賞賛され感動されると

思います。皆さんはずっといわば裏社会に身を置き世界を飛び回りあるときは銃を突きつけられあるときは堀穴から

出られなくなったりと修羅場をくぐって来られたと思います・・・そして苦労して集めた宝石の

コレクションを出せと言われても賛同出来ないと思います。でもよく考えてみてください・・・

コレクションを隠し持っている事にいつもビクビクしながらコレクションを愛でること事も

出来ないでしょう?だったら一度賛同してみる価値はあるかと・・・

豊臣社長は寄付しましたが皆さんにはいったん預けて頂きたい!きっと後悔より色んな事から

解き放たれることでしょう!」と強い口調で言い放った。

「私個人のわがままかもしれない・・・でも決して後悔はさせない!私はだまされたことはあってもだましたことは

1度も無い!みんな!これからは私と一緒に表社会で生きて行こう!」すると会場からパチパチ・・・

一人・・・二人そして全員の拍手で会場は包まれた。「ありがとう!ありがとうございます!本当にありがとう!」と

浩吉が泣きながら応える・・・。

「みんな!このプロジェクトは壮大です!でもみんなとやりきりたい!宝石業界と医療業界は全く結びつかない・・・

“宝神殿”はこのプロジェクトの起爆剤としてそしてみんなの夢の架け橋として建立します!」と浩吉。

「まだ先の事ですが、“宝神殿”の青写真はある程度は描いています・・・場所は大分県花の井ホテルの近く今回のメイン

プロジェクトリゾート医療施設の敷地内の前の部分にパワースポットに成るように風水も取り入れながら龍や鳳凰

・鳥居や金の鈴に賽銭箱などまだ漠然とはしていますが・・・そして肝心のみんなのコレクションは裸石のまま展示する

宝石とデザインして指輪やネックレスなどする宝石に分けてデザインは蜂須賀姉妹に頼もうと思っております。

建設は甲賀建設に依頼しようかと・・・いずれにしてもオープンするまでまだまだ先の話ですがみんなも良いアイデアが

あったらどんどん出して欲しい!それぞれにコレクションには特にこだわりがあると思うので裸石のまま展示が良いのか

デザインするならどうして欲しいのかを蜂須賀姉妹に依頼してもらいたい。“宝神殿”の件も含めて今回のプロジェクトは

まだ非公開なので宜しくお願いします。」と浩吉。そして会場では今までそれぞれが隠していたコレクションの話で

盛り上がっていた。今までは話す事の出来なかった秘密のベールに包まれていたそれぞれのコレクションの話・・・

解き放たれた・・・今までは仲間であったがライバルでもあった・・・なぜかみんな明るい会話を・・・

何十年もカイ(宝石の裏取引会)で一緒だったがこんなに打ち解けることはかつて無かった・・・

皆が裏社会から表社会に踏み込んだ瞬間であった・・・。中には握手したり抱き合う仲間もいた・・・

何十年もカイで一緒だったのにまるで初対面かのように・・・緊張から放たれ皆に笑顔があった・・・。

浩吉は思ったこれからが本当の仲間なんだ・・・

浩吉は心の中で “ONE FOR ALL ・ ALL FOR ONE”と呟いたのだった。

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