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​第二章 突然の不幸②

浩吉が倒れて1週間・・・意識は戻ったものの集中治療室の中にいた。

   面会こそ出来たが何の進展もなかった。・・・

   楽しくクリスマスパーティーで乾杯した夜!

   恒例の年越しは、のんびりとハワイで過ごして居たはずだった。

   美智子は突然の出来事に心がついて行けず・・・

   うつ状態になりあっという間にやつれはて髪も振り乱しあれだけ

   おしゃれだった服装も地味なスエット姿に・・・。

   まともな話しが出来ない状態に。その点なぜかあゆみは冷静だった。

「この先パパはどうなるのだろう?そして私はどうすればいいんだろう?・・・私の将来は?大学は?」

   いろんな事が頭を巡る。いろんな悩みを抱えたまま、あゆみはベッドに入る・・・

   2024年!年が明けようとしていた。

「あゆみはん!あゆみはん!」あゆみは夢の中で誰に呼ばれた様な?!。

「あゆみはん!落ち込んだらアカンで~」どこか懐かしい声だった。

「だれ?だれなの?」とあゆみは小声でつぶやく。

「わては美智子はんから生まれるはずやったモンやで~美智子はんの働き過ぎで、わては流れてもうたんや!」

    と謎の男の声が・・・。「これは夢?現実?」とあゆみ

「夢と現実の間や!わてが生まれてたら、あゆみはんは 生まれてないかもな!

    だけどわてはあの世に行かず豊臣家を見守ってきたんやで!感謝してや~

    あとわてと話すときは目開けたらアカンで~わてが消えてまうかもしれんからな!」

    と謎の男の声。「じゃあ貴方は兄妹?そして幽霊?」とあゆみ。

「実際この世に存在しないのだから幽霊かもな、そして兄妹かもな・・・でもそんなもんどうでもいいんや!

   わては浩吉はん美智子はんそしてあゆみはんを助けたいんや!だからこれから

   言う事良く聞いて実行してや~」と謎の男の声。

「わかったわ!今はわらにでもすがりたい気持ちだから!」とあゆみ。

「じゃあいくつか指示するで!まず浩吉はんのことや。退院しても施設はアカンで~

   あゆみはんが中心になって看病しーや。そしてリハビリするんや!大学は諦めてな~!」 するとあゆみが

「私は大学行きたいし、まして看病にリハビリなんてやったことも無いし出来るわけ無い!」 謎の男が

「目指した大学は近いうちにマスコミに叩かれるで!裏口入学やお金集めの不正が発覚して。それに 浩吉はん

 の社会復帰はあゆみはんにかかってるんや!施設の介護保険制度のリハビリじゃ進行は止めても社会復帰は

 絶対無理やで~。幸いにもお金はある!それを運用して浩吉はんを社会復帰させるんや!」

   あゆみが「なんでそんなことがわかるの?私の人生はパパに捧げるの?」

「そんなことは言ってまへん!2年!浩吉はんのために費やして欲しいんや!わてからのお願いや!

   この試練がまた豊臣家の幸せにつながるんや!」

   あゆみは突然のことで理解できなかったが

   まるで 神のお告げであるかの様に感じた。そして心の中でうなずた。この謎の声にかけてみよう!

「よっしゃ!気持ちが決まったらやることが山ほどあるで~まず浩吉はんは国税に狙われてる。

   今全部持って行かれたらまさに泣きっ面に熊ん蜂や!だからわてのいう通り動いてヤ~」と謎の男。

「なんでパパが国税に?何か悪い事したの・・・」とあゆみ。

「そうやな。だけど対応はせなあかん!まず中庭の倉庫にある古いトランクをどけたら

   床に水をかける!と、かすかに四角い線が見える

   そこの中心を強く押すと床が浮き上がってくるから

   その蓋を取るとその下に金庫が出てくる。

   金庫の扉にデジタルの数字のボタンがあるから、

   暗証番号を入れるンや。ここからが良く聞いてヤ!

   あゆみはんの誕生日美智子はんの誕生日浩吉はんの誕生日を後ろから呼んで

   例えば6月25日生まれだったら5260や順番はあゆみはん美智子はん浩吉はんの誕生日の順番や!

   ええか~。 そしたらあゆみはんが浩吉はんから困った時に開けるように言われて

   もらったロケットのネックレスの中に合いカギが入っている。

   それを使って開けるんや!ほなら中に金の延べ棒がある。

   10㎏の延べ棒が全部で16本入っている。

  今、相場が2020年のコナロウイルスの世界恐慌で金の価格が急騰し

   1グラム8,000円だから 12億8,000万相当になる。さてここからが問題なんや!」

   するとあゆみが

「ちょっと待って!金庫だの、金だの、

 10億だのいったい何の話ししてるの?現実の話し?」

   謎の声が

「ホンマノ話や!ま~きいて~な。そこまではええか~。」

   するとあゆみが

「その話しがホントだとして、どうすれば良いの?それとこれから貴方の事をなんて呼べば・・・」

   謎の声が

「あの世からきたんやで!そやな~“アノヨン”でいいんちゃうか」

   あゆみが

「じゃあそうするわ・・・こんな状況だけど少し明るくなれそう!まだあまり理解できないけど、

   ありがとうアノヨン!」

「こんな時こそ明るうせなあかん!そうや!で、本題行くで~。まず明日の元旦金庫を開ける。

   そしてこれから言う事を良く聞いて金の延べ棒をとりあえず全部出して、

   まず浩一郎はんが東京から来るさかい浩吉はんから聞いてると思うけど困った時は

   石田成三商店の社長に連絡する ように浩一郎はんはいつも言われている。

   とにかくまず国税に狙われてる事や裏金が金160㎏有ることなど

   相談せなあかん!それからや!ええな!あゆみはん!明日の夜また来るさかい!」とアノヨン。

   あゆみは目を開けたい気持ちを抑えて

「アノヨンわかった!とにかく貴方にかけてみる!

   それでパパが元気になるのなら。そしてまた家族が笑って暮らせるなら。」

   そしてアノヨンの気配がなくなった・・・

   あゆみは夢なのか現実なのかまだわからないままだった・・・。

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