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第四章 ​未来に向けて②

そして“パパ苦しいけどがんばって!”と何回もつぶやいていた・・・。

二月の空。晴れ渡っていたがまだ寒かった・・・。高校生活ももう少しで終わりを告げようとしていた。

あゆみは久しぶりに春美と明美を誘って筑穂町にある民家喫茶”宮ノ上ゲンキ“に

集まることにした。ここは”3美・3将・輝き隊“の隠れ家的喫茶店である。

多いときは毎週末テニスの帰りにチャリで通って元気印のマスターを交えて

話す事が三人共大好きだった!今日は父浩吉が倒れて以来久しぶりに集まる。

あゆみは親友に改まって決意の程を伝えることにいつもと違って緊張していた。

「みんな元気そうだね~」とマスター「お久しぶりで~す!」とあゆみ。続いて春美「マスターまたまた男に

磨きをかけたね~」そして「ご無沙汰してます・・・マスターも元気そうで何よりです・・・」と控えめな明美。

「さあさあ~私達の隠れ家!二階に上がるわよ~マスター!今日は大事な話があるんだから!

筑穗牛のスペシャルバーガーセットでお願い!みんなも一緒で良いわね!飲み物はマンゴージュースでお願い!」と

あゆみ。春美は「オレンジジュースで!」そして明美は「お紅茶でお願いします」

「それでは“サンミ・サンショウ・カガヤキタイ”(3美3将輝き隊)にカンパ~イ!」とあゆみ。

「久しぶりに集まるとやっぱ落ち着くね~で!あゆみの決意表明はなんやろか~」と春美。

「その前にパパの事でみんなに心配かけたけど必ずパパは社会復帰させるから心配しないでね!

 今、日本でいや世界で1番のリハビリのレジェンドにパパを委ねてるから・・・大丈夫!で私の

 決意表明は、みんな笑うと思うけど・・・わたし・・・医・者を目指したいの・・・」とあゆみ。

 え~医者!・・・あゆみが医者!グローバルに生きる!って言ってたあゆみが医者!

 私達より成績悪いのに医者!」と冷やかす様に春美。すると明美が「挑戦する姿は私達の誇り!

 本当は私も看護師より医者になりたい!」といつも控えめな明美が力強く言い放った。

「そうよ!あなた達より成績悪いのに医者を目指すなんてあり得ない・・・でも挑戦したいの!」とあゆみ。

「私達みたいに看護師じゃダメなの?コナロウィルス以来看護師は引っ張りだこだし・・・

それに医者はお金もかかるし・・・」と春美。「お金の心配はいらないんじゃない?あゆみんちは!お金持ちだもん!」

と、ちょっと嫉妬しているような口調の明美。「とにかく私はこれから1年間浪人して筑豊大学医学部を目指すわ!

いっそみんなで目指してみない?」とあゆみ。「何を言い出すの?お父さんが倒れて少しおかしくなった?

でもあゆみがそこまでキラキラと将来語るの初めてよね!いつも美味しい食べ物の話ばっかだったから・・・」と春美。

「あゆみちゃんのみんなで医者!心地よい響き・・・私だって医者目指したい!」と明美。

とそこにマスターがやって来た。「マスター!ハンバーガーまだ?みんな食べ盛りなんだから特盛りでお願いね!」

と春美。すると本当に馬鹿デカイ!ハンバーガーが出てきた。三人共スッポリと顔が隠れてしまった。

「マスター!サービスしすぎ~乙女が食べる大きさじゃない!大食い選手権でも始めるつもり?」と春美。

「久しぶりだからサービスサービス!若い時は悔いの無いように何でも挑戦!挑戦!」と

   しっかりみんなの話を聞いていたコメント!あっという間にあゆみと春美は顔よりデカイ

  スペシャルハンバーガーをたいらげ、さらに大盛りポテトまで完食した。

   明美は「マスター・・・これお持ち帰り出来ますか?」と・・・.

  久しぶりに3人は楽しい時間を過ごした。

  みんな笑顔になれた!あゆみの新たな目標に二人の心も揺れ始めていた。

「さあお腹も心も満足満足!明日に向かって3美3将輝き隊は走り出すわよ~

  マスターごちそうさま~じゃあまた~」と手をふり家路につく・・・3人が夕焼けに染まる。

  マスターは巣立って行く3人の背中に優しくエールを送ったのである・・・。

 

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